2023年10月22日日曜日

花だより 女性らしくなった吉田沙保里さん ナナカマド ツルウメモドキ 

 


 女子レスリング界最強といわれた吉田沙保里選手、引退後、テレビのバラエティ番組に多く出演するようになり、めっきり女性らしくなりましたが、超一流のアスリートから学ぶことはたくさんあります。
 アテネ、北京大会に続き、ロンドンでも圧倒的な強さで金メダルを獲得。まさに盤石の姿勢で3個目の金メダルを手にしたように見えました。しかし、実際はそうではなかったのです。試合後、感極まり人目をはばからず号泣しました。女王はかつてないほどに追いつめられていたといいます。
 「プレッシャーは今までで一番きつかった。試合前に眠れなくなることなんて初めてだった。正直、このオリンピックは厳しい。自分の進退も考えないといけないと思っていた。」というのです。それほど吉田選手は4年ぶりに喫した5月のワールドカップでの敗北が尾を引き、「トンネルを抜け切らない状態」だったのです。
 負けを知ることで、いろんなことを勉強させてもらった。
 攻め続けていたこれまでとは違った「賢いレスリング」をした。4年ぶりの敗戦は、吉田選手のレスリングを狂わせていた。しかし、一方では「今まで相手を研究をするということが少なかった。」という吉田選手は、頭で考えるレスリングを学んだのです。
 「負けを知って、いろんなことを勉強させてもらって気付かされました。勉強したことや良いことはどんどん自分に取り入れていって、負けることがあったら勉強して、それを繰り返して人は賢くなっていくと思う。明日からまたトレーニングしたい。」と語りました。
 勝ち続けてきた女王だからこそ知ることができた敗戦の重み、そこから得る進化への糧。吉田選手に限らず、オリンピック選手は、人並み外れた才能の持ち主ばかりです。しかし、才能だけでは、メダルを取ることはできないのです。血のにじむ努力の積み重ねと多くの挫折を乗り越えてきたことを子どもたちには知ってほしい。こうした話を伝えるべきです。金メダルをとったおもしろいおばさんではないのです。







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