文科省は、2022年3月に幼小連携が一向に進まないため、「幼保小架け橋プログラム」を打ち出しました。ところが小学校の反応が鈍いだけでなく、保育所やこども園でも取り組みが進んでいるとは言えません。原因の一つは、縦割り行政の弊害(文科省、厚労省、内閣府)です。
幼保小架け橋プログラムについて 義務教育開始前の5歳児は、それまでの経験を生かしながら新たな課題を発見し、新しい方法を考えたり試したりして実現しようとしていく時期です。また、小学校1年生は、自分の好きなことや得意なことが分かってくる中で、それ以降の学びや生活へと発展していく力を身に付ける時期になります。
このように、義務教育開始前後の5歳児から小学校1年生の2年間は、生涯にわたる学びや生活の基盤をつくるために重要な時期を「架け橋期」と呼ぶことにしました。
この時期の教育は、幼稚園・保育所・認定こども園と小学校という多様な施設がそれぞれの役割を担っています。子供の成長を切れ目なく支える観点からは、幼保小の円滑な接続をより一層意識し、乳児や幼児それぞれの特性など発達の段階を踏まえ、一人一人の多様性や0~18歳の学びの連続性に配慮しつつ、教育の内容や方法を工夫することが重要です。
ところが、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」が示され、小学校でのスタートカリキュラムの実施などの取組が進みつつあるものの、形式的な連携に止まっているのではないかという指摘があります。
そこで「幼保小の架け橋プログラム」は、子供に関わる大人が立場の違いを越えて連携・協働し、この時期にふさわしい主体的・対話的で深い学びの実現を図り、一人一人の多様性に配慮した上で全ての子供に学びや生活の基盤を育めるようにすることを目指すものです。
本プログラムは、架け橋期に求められる教育の内容等を改めて可視化したものであり、関係者の負担軽減に留意しつつ、各地域や施設の創意工夫を生かした取組が広がり深まっていくことを期待しています。
【架け橋プログラムのねらい】 (1)幼児期から児童期の発達を見通しつつ、 5歳児のカリキュラムと小学校1年生のカリ
キュラムを一体的に捉え、地域の幼児教育と小学校の関係者が連携して、カリキュラ
ム・教育方法の充実・改善にあたることを推進する。
(2)3要領・指針、特に「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の正しい理解を促し、
教育方法の改善に生かしていくことができる手立てを普及する。
(3)架け橋期に園の先生が行っている環境の構成や子供への関わり方に関する工夫を見え
る化し、家庭や地域にも普及する。
(4)幼児期・架け橋期の教育の質保障のための枠組みを構築し、データに基づくカリキュ
ラム・教育方法の改善を促進する。
(要約:牧野)