「がんばれない」心で何が起きているか
外山 美樹著(筑波大学教育心理学)
「がんばれ!」この励ましが、なんともしづらい時代になった。「努力が報われる」という空気があった昭和が終わり、低成長、過疎化…、がんばった先が見えにくくなった。「これ以上、どうがんばったら?」そんな悲鳴が聞こえてくる。
「がんばれ」が重くのしかかる人の心の間に分け入る、報われない努力を「損失」とみなすタイプはチャレンジせず、易きに流れる。逃げると恥とばかりに無力に努力するタイプは危険。どんなにがんばっても出口が見つからず、体に慢性炎症という「火事」が起き、ニッチもさっちもいかなくなる。どうしたらよいのか。
「人生は定員が決まったバス」と見なすという著者は、“目の前のこだわり、それだけに席を埋めてしまっていたら、新たな興味関心の座る席はない。ここぞの時には別の可能性をために『空席』をつくる”ことが持続的な成長の道になると提案している。山登りも努力も一本道ではない。しなやかに「やりぬく力」が必要だ。
学校やこども園で一番多く使う言葉が「がんばれ!」、「がんばる」かもしれない。子どもたちに「がんばれ、がんばれ」とはっぱをかけるだけでなく、一つのことにこだわってしまわないように「がんばれ!」と声をかけてなくてはならない。


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