2022年12月6日火曜日

花だより 人の話をきちんと聴ける   サザンカ イチゴ

              

 「人の話をきちんと聴けるようにしてください。」幼小連携会議でよく小学校側から求められる態度です。
 小学校の教室には、「人の話を聴くときのルール」のようなものが掲示され、それを示しながら児童に指導しています。しかし、それで本当に「人の話が聴ける」ようになるのでしょうか。
 そもそも人の話を聴けるとはどういうことか。今は小学校だけでなく、中学、高校、大学も含めて教育の現場では、対話性のある言葉の危機が叫ばれています。人の話を「聴いてわかろうとする」ことは、話を情報として理解することだけではなく、話している話し手の音声をまるで自分の話であるかのように身体で感じ取るという側面を含んでいると考えます。つまり、話し手と聞き手が一体となったときに話が聴けるということです。人の言葉と出合う楽しみを感じ、また、あの人に話そうと思うことが「勉強する力」「学力」なのではないでしょうか。幼児期はその土台を作っている大事な時期です。
 幼児期に対話的な言葉の育つ場所は、家族団らんの場です。ところが家族団らんの場が少なくなっているように感じています。家族団らんは、話し手と聞き手が一体となるコミュニケーション、あるいは、みんなで一つの話をする、みんなが一つになるコミュニケーションです。家族の会話こそが対話の力を育む土壌なのです。子どもにたくさん話しかける。子どもとの会話を大切にすることで、話をきちんと聴ける子に育ちます。
               




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