2022年12月4日日曜日

花だより Withコロナ時代の学校「受援力・与援力」 マルバノキ

 

 中学校の部活動は地域に任せる。ICTを導入するには、外部人材に任せた方が絶対にいい。コロナで学校現場は大忙しなのでこうした人材に対するニーズは大きいだろうと思っていたら、それほどでもありません。どうも学校というところは、気心の知れない外部の人間を受け入れることに抵抗があるらしい。
 学校関係者は、いろいろな仕事から逃げずに立ち向かわなければならないと思っている真面目な人が多い。しかし、それがややもすると外部の人には任せられない、と仕事を抱え込むことにつながっているのではないか。
 「自分たちが学校のことは一番よく分かっている」という自信は大事だが、多様な知識、経験、能力を生かすことで教育の質は上がる。それは教員の負担を軽減するだけでなく、その結果子どもたちに向き合う時間を多くし、授業のレベルアップにつながる。これが働き方改革だろう。
 これからの変化の大きな社会を生き抜いていくためには、何もかも自分で抱え込むのではなく、外部の人の助けを受ける力(受援力)と必要な助けを与える力(与援力)が必要と考える。「人に迷惑をかけません!」と突っ張って孤立するのではなく、柔らかく助け助けられる人間になることで社会は温かく強くなるのではないか。
 教員には、こういう力が不足している、具体的にはこのような助けが必要だ、と求める力、助けてもらったら、感謝して受け取る、そして必要なときには自分ができる助けを提供する。それが「受援力」であり「与援力」である。
 学校がそのように多くの人と関わることによって教員もいろんな考え方に接し、現場の風通しがよくなるだろう。ぜひ校長先生には、主体的に外部人材の活用に一歩踏み出していただきたい。
「教育展望」2020.10月号 Withコロナ時代の学校」 昭和女子大学理事長 坂東 眞真理子から 牧野要約

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